Icom ID-1 Report
アイコム デジタルトランシーバ ID−1使用レポート
第5回:デジタルレピータを使ってみよう
さて,これで直接波で1対1通信ができるようになりました.
1200MHz帯ですので,出力やアンテナよりもロケーションが一番効果
があります.でもどうしても住宅地等で良いロケーションを確保で
きない場合にはデジタルレピータを使って中継交信することができ
ます.
デジタルレピータ
デジタルレピータと言うと難しそうですが,基本的にアナログFM
で行われている通常のレピータと同じです.
ただ,デジタルレピータが通常のレピータと違うのは,レピータを指定す
ることです.それも2つ指定できます.
それはデジタルレピータ間はアシスト局によって相互につながって
いるので,アップリンクとダウンリンクのレピータ局を変えること
ができるので2つ指定できるわけです.
アップリンクレピータ局とダウンリンクレピー
タ局の間は10GHz帯の回線で接続し,最大4局のレピータ間で音声を
中継します.
つまり,1台のレピータでカバーできないエリアともデジタルレピー
タを使えば交信可能になります.
デジタルレピータを使ってみよう
さぁ,早速デジタルレピータを使ってみましょう.
まずは,デジタルレピータ1局を中継して相手と交信します.
周波数をデジタルレピータに合わせ,DVモードに設定します.
「RP」ボタンをクリックして,レピータシフトを行うようにし
ます.DVモードの時は通常「RP-」に設定します.
「CS」ボタンをクリックして,コールサイン選択ウィンドウを
開きます.
「相手局」に交信する相手局のコールサインを入力して「OK」
ボタンをクリックして確定します.
このとき,過去に入力したコールサインはメニューから選ぶことができます.
また,「CQ」ボタンを押すと相手局を決めずに不特定局を呼び出し
ます.
「RPT1」に中継に使いたいデジタルレピータ局のコールサイン
を入力します.「RPT2」は空白にしておくか,「RPT1」と同じコー
ルサインを入力して「OK」をクリックします.
- もしレピータのコールサインがわからない時は,とりあえず電波を
出してみましょう.しばらくするとレピータからコールサイン情報
が送られてきてピッと音がして,レピータリストに登録されます.
アナログレピータがコールサインをモールスで送り返してくるのと
同じですね.
同様に「自局」に自分のコールサインを入力して「OK」
ボタンをクリックして確定します.
自局のコールサインは5種類まで登録でき,選択して利用でき
ます.ポータブル運用等に利用して下さい.
これで,デジタルレピータ局「JP2YGK」を中継局として使い相手局
と交信することができます.
1200MHz帯 1200MHz帯
自局<-------->レピータ局<-------->相手局
JQ1YFE JP2YGK CQCQCQ
デジタルレピータを2局使う
ID-1ではデジタルレピータを2つ指定できます.これは,アップリ
ンクに使うレピータとダウンリンクに使うレピータを指定できるこ
とを意味します.つまり,1つのレピータでカバーできない地域と
も中継回線を使って交信できるということです.
- 周波数をデジタルレピータに合わせ,DVモードに設定します.
- 「RP」ボタンをクリックして,レピータシフトを行うようにし
ます.DVモードの時は通常「RP-」に設定します.
- 「CS」ボタンをクリックして,コールサイン選択ウィンドウを
開きます.
- 「相手局」に交信する相手局のコールサインを入力して「OK」
ボタンをクリックして確定します.
このとき,過去に入力したコールサインはメニューから選ぶことができます.
また,「CQ」ボタンを押すと相手局を決めずに不特定局を呼び出し
ます.
- 「RPT1」にアップリンクに使いたいデジタルレピータ局のコールサイン
を入力します.
- 「RPT2」の「使用する」にチェックし,ダウンリンクに使いた
いデジタルレピータ局のコールサインを入力します.アップリンク
とダウンリンクに使いたいレピータは同じゾーンでなくても構いません.その場合は他のゾーンと交信で
きます.
- 同様に「自局」に自分のコールサインを入力して「OK」
ボタンをクリックして確定します.
自局のコールサインは5種類まで登録でき,選択して利用でき
ます.ポータブル運用等に利用して下さい.
これで,デジタルレピータ局「JP2YGK」を中継局として使い相手局
と交信することができます.
1200MHz帯 10GHz帯 1200MHz帯
自局<-------->レピータ局(RPT1)<-------->レピータ局(RPT2)<-------->相手局
JQ1YFE JP2YGE ↑ JP2YGG CQCQCQ
↑
数局のアシスト局が中継
している場合もある
交信範囲が広がる
このように,デジタルレピータを使うと,直接電波が届かない局とも交信するこ
とができます.特にレピータを2つ指定した場合には,何局かのア
シスト局が自動的に中継して自局と相手局の間の交信を中継します.
このように,複数のレピータ間を中継するアシストという概念が新
しくD-STARに採り入れられたのです.
注意
ID-1はデジタルレピータへの連続送信は10分に制限しています.
連続送信が制限時間の約30秒前になるとピーと鳴り,
3回ピー音を発して送信を停止します.
戻る:「第4回:デジタル音声モードで交信してみよう」へ
進む:「第6回:DVモードでゾーン外と交信してみよう」へ
目次に戻る
2004.03.23.(初版作成)
2004.03.26.(最終更新)
[email protected]