Icom ID-1 Report
アイコム デジタルトランシーバ ID−1使用レポート
コラム2:ID-1の中身は?
ID-1の開発にはたくさんの回路技術が詰め込まれています.
すこしばかり箱をあけて中身をのぞいてみましょう.
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XlinxのFPGAと10BASE-T用のカニさんチップがのっています.
FPGAというのはField Programmable Gate Array,すなわち,現場で
プログラム可能なゲートアレイで,ソフトウェア的に回路を書き換
えることができるLSIです.ファームウェアと呼ばれるソフトウェア
の変更はメモリに書き込みますが,最近はハードウェアの変更にも
対応できるようになっているわけです
次に,カニさんチップというのは,Ethernetコントローラ用LSI
のことです.最近のパソコンのネットワークカード(LANカード)に
も搭載されている有名なチップです.
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この他,試作品では終段のRFパワーモジュールが三菱電機のM57762
でしたが,同じ三菱電機のRA18H1213Gという新製品に変更されてい
ます.M57762はバイポーラトランジスタ3段による増幅だったのですが,
RA18H1213GはなんとMOS FET3段増幅です.
RA18H1213Gは電源ピン数も少ないだけでなく,これまで18W程度
を出力するために1W程度の入力が必要だったものが,200mW
程度で十分に性能になっています.出力には十分余裕を持たせたと
いったところでしょうか.
ただし,出力側のSWRはこれまで16:1に耐えられたものが,MOS
ということもあって8:1までしか耐えられません.
アンテナをつなぎ忘れて終段を飛ばしたということにならないよう
に気を付けましょう.
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それから,このID-1,オレンジ色の液晶パネルは似ているのですが,
これまでのアイコム製品とずいぶんと見ためが違いませんか?
- マイクが大きい
- デザインがいまいち
- 液晶がいかにも一般のLCDパネルを流用したような感じ
どちらかと言うと(箱の中身は何ら変わらないのですが)業務用機
器に近いデザインですね.開発チームが全く違うのかと思うほどです.
D-STARが普及してくると,きっとカッコ良いデジタル無線機が発売
されてくるでしょう.
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2004.04.29.(初版作成)
2004.05.01.(最終更新)
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